【東畠先生の福祉用具コラム(第4回)】衝撃吸収マットで転倒対策

2016年4月1日

家族や介護者による認知症ケアをサポートし、認知症高齢者自身の「できること」を減らさないために手助けしてくれる存在として、今、福祉用具や支援機器に注目が集まっています。 このコラムでは、国際医療福祉大学大学院 准教授でいらっしゃる東畠弘子先生に、福祉用具の専門家の立場から、福祉用具や支援機器のいろはについて解説していただきます。第4回目の今回は、衝撃吸収マットによる転倒対策についてお話いただきます。

kaigo_bed_ochiru

先日、東京で開かれた福祉用具の展示会「Care TEX(ケアテックス)」に行ったところ、「認知症」関連の製品や見守り支援などのシステムが目につきました。今年秋には「国際福祉機器展」もありますが、こうした認知症の人を支える支援機器・福祉用具がもっと出てくるとよいと思います。

そうした製品の中で、最もハイテクと遠い、というと怒られそうですが、手軽に使える「事故のリスク軽減」を目的とした福祉用具が衝撃吸収マットです。夜間、トイレなどに行こうとしてベッドから転倒してしまうといった事故は、施設や在宅、どこでも起こり得ます。衝撃吸収マットは、そういった事故の際に、転倒の衝撃を和らげてくれます。

在宅で介護されている方は、夜間はベッドの高さを低くすることとともに、ベッド横に衝撃吸収マットを敷く、などの対応をしてみてはどうでしょうか。

どのようなマットを選ぶかが難しい

マットにはセンサー付きのものもありますが、センサー付きマットは介護者に「知らせる」ことを目的としています。これに対して衝撃吸収マットは万一の転倒に備える、というものです。製品は複数のメーカーから発売されていますが、あまり薄いと、転倒時に大丈夫かと心配ですし、厚みがあり限ると躓きそうで、選ぶには悩ましいです。

030509_KE200_01

写真はパラマウントベッド社のテストールという製品です、躓きに配慮してマットの四方を斜めにしてある点と、底面に滑り止め加工がついているのが特徴です。

低床ベッドと衝撃吸収マットを組み合わせることが大切

最後に、衝撃吸収マットを使用する場合は、転倒したときのために、低床ベッドとの組み合わせで備えてください。また、ベッド横、利用者が立ち上がる際に足をつくところには、ごみ箱など躓きそうなものは置かないように注意してください。

(文中のテストールの画像はパラマウントベッド社ホームページより転載)

参考)パラマウントベッド社 テストール

東畠先生のプロフィール

国際医療福祉大学大学院 准教授
医療福祉経営学博士
厚生労働省「福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会」委員
一般社団法人全国福祉用具専門相談員協会 理事

【主な著書】

▼外部リンク
認知症介護を支援する福祉用具レンタルの無料相談窓口

▼関連記事
介護保険制度について詳しくはこちら

【この記事を読んだ方へのおすすめ記事】

このページの
上へ戻る