【PR】もの忘れなどのある高齢者でも、安心して使える睡眠治療薬の提供を目指してー再掲

2024年11月9日

高齢者によくみられるのが、不眠や睡眠障害です。夜更かしや寝つきが悪くなるだけではなく、夜中に何度も起きたり、朝早く目覚めたりといったことが増えてきます。さらに、認知症や軽度認知障害(MCI)の方は、「朝起きたときにすっきりしない」「午前中からの昼寝や30分間以上の昼寝を毎日のようにしてしまう」「夕方になるとソワソワ・イライラしてしまう」といった症状を伴う睡眠障害が増えてくるため、より患者さんの症状に合ったお薬の選択が大切です。

しかし、現在、認知症の高齢者の睡眠障害に対して、国内の医学会などが推奨している睡眠治療薬はありません。個々の医師が試行錯誤して患者さんの対応をしているのが現状です。

今回の記事では、加齢による睡眠の変化や認知症と睡眠の関係を解説し、認知症に伴う睡眠障害を対象とした治験をご紹介します。60歳以上で「よく眠れていない」と感じている方、「もの忘れ」などの認知機能の低下があり、日中に気になる症状のある方、そのご家族の方はぜひご確認ください。

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コールセンター案内:03-5413-6662(治験センター)
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「眠れない」の原因となる加齢による睡眠の変化

●睡眠が浅くなる
年齢を重ねると、身体に様々な変化が訪れます。睡眠の変化もそのひとつです。睡眠中は、深い眠りと浅い眠りを60~120分周期で繰り返していますが、加齢によって「深い眠りに達しづらくなる」、「周期の間隔が短くなる」といった変化が起こります。尿意やちょっとした物音で目を覚ましやすくなったり、朝に目覚めたときの休息感が減ったりするのはそのためです。

●早寝早起きになる
高齢者は早寝早起きになるといわれますが、これは加齢によって体内時計の働きが弱くなり、生活スタイルの変化や体力の低下に伴って睡眠にかかわる生体機能リズム(血圧・体温・ホルモン分泌など)が前倒しになりやすいからです。また、基礎代謝が下がるなどの理由で、高齢者は若い頃ほど長く睡眠をとる必要はありません。厚生労働省が発表した、「健康づくりのための睡眠ガイド2023(案)」*1によると、15歳前後で約8時間、25歳で約7時間が必要だった睡眠時間は、65歳では約6時間となり、そこから年齢とともにさらに減少していきます。自然な睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の分泌量も、加齢とともに減少することが分かっています。

寝床で漫然と過ごすのはNG!認知症と睡眠の関係

近年の大規模調査研究*2により、9時間以上の長時間睡眠がアルツハイマー病の発症リスクを増加させることが報告されています。

ここで注意が必要なのは、適切な睡眠時間は個人差が大きいので、「9時間ぐっすり眠れて、日中の調子もよい」という方は無理に変える必要はありません。気を付けないといけないのは、「8時間は眠らないといけない」と思って眠くない時間から寝床に入り、眠ったり目覚めたりを繰り返しながらダラダラと寝床にいることです。結果として、長時間寝床にいるのに「よく眠れた」と感じにくくなってしまいます。

「たくさん眠った方が健康によい」という思い込みや、「やることがない」などの理由から、漫然と長い時間、寝床で過ごすのはやめましょう。今のあなたに適切な睡眠時間はもっと短いかもしれませんし、睡眠の満足度が低下しているのは「眠ろうとしている時間帯が適切ではない(早すぎる/遅すぎる)」という可能性もあります。また、睡眠時無呼吸症候群という疾患が隠れている可能性もあるので、大きなイビキなどにも注意が必要です。

日中に長い昼寝をする習慣がある方も要注意です。午前中からの昼寝や30分間以上の長い昼寝は、日中の活動量を低下させて夜間の良眠を妨げる原因となり、認知機能低下のリスクを高めることが報告されています。

認知症予防には、年齢や自分に合った睡眠リズムに整えることが大切です。高齢になると、睡眠に対して不満や不安を訴える方は増えますが、認知症やその前駆段階とされている軽度認知障害(MCI)の方は、さらに睡眠障害の頻度が高くなります。これは加齢が原因である睡眠障害に加えて、認知症による脳の機能変化が睡眠に影響しているためだと考えられています。もの忘れだけではなく、「寝つきが悪くなった」、「眠っている時間帯が以前より遅くなった」、「睡眠がこま切れになった」といった症状も、認知症のサインかもしれません。

認知症に伴う入眠困難を対象とした治験がスタート

入眠困難は、認知症や軽度認知障害(MCI)の方だけでなく、若い方から高齢者までよくみられる睡眠障害です。適正な時間帯に寝床に入っても、寝付くまでの時間(入眠潜時)が長くなります。

「眠ろうと思って寝床に入ってもなかなか眠れない」というのが一般的な症状ですが、認知症や軽度認知障害(MCI)の方では、単に寝つきが悪くなるだけでなく、「夜遅く、場合によっては明け方近くになるまで眠れない」という状態になりやすいといわれています。いわゆる「夜更かし」の状態ですが、一般的な入眠困難とは異なり、原因が体内時計(生体機能リズム)の乱れである可能性があります。

一般的な入眠困難に対しては、様々な不眠症の治療薬が使われています。しかし、認知症や軽度認知障害(MCI)に伴う入眠困難に対しては、睡眠治療薬の有効性や安全性が十分に確立しているとはいえません。認知機能への影響に関する情報も十分ではなく、睡眠障害を持つ認知症の方にとって満足度が高い治療とはいえないのが現状です。

今回の治験は、「認知機能の低下がみられる高齢者が安心して使える睡眠治療薬の開発」を目的に、国内の製薬会社によって実施されるものです。睡眠活動量計による入眠潜時を評価し、入眠潜時の短縮に対する治験薬の有効性と安全性を検討します。

治験薬について

今回の治験で使用される治験薬は、国内ですでに小児の睡眠治療薬として承認され、広く使われているものです。海外では不眠症や時差ぼけの治療薬として広く使われており、サプリメントとして市販されている国もあります。

今回の治験では、国内の軽度認知障害(MCI)または軽度の認知症の高齢者が使えるように、適応拡大を目指します。

治験の対象となる方

今回の治験の対象者は、軽度認知障害(MCI)または軽度の認知症に伴う入眠困難がある方(60歳以上84歳以下)です。寝つきが悪い方だけでなく、「夜更かしをしがち」、「睡眠の時間帯がバラバラ」といった方も対象となる可能性があります。特に、「朝起きたときにすっきりしない」、「朝の食欲がない」、「毎日のように30分間以上の昼寝をしてしまう」、「午前中から昼寝をしてしまう」、「夕方や夜になると活動的になる(時にイライラ・ソワソワする)」などの症状がある場合は、体内時計の乱れによる睡眠障害の可能性が高く、今回の治験の対象になります。

軽度認知障害(MCI)や認知症の診断を受けていなくても、認知機能の低下を感じており、「睡眠リズムの乱れ」や「睡眠の満足感が低い」という感覚をお持ちの方、日中に心当たりの症状がある方も本治験の募集受付先である「トライアド治験ネット」にご相談ください。

その他の細かい参加基準や治験を実施している医療機関についても、トライアド治験ネットでご案内しています。

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認知機能の低下が気になる方、睡眠障害にお悩みの方はご相談を

加齢によって「気持ちよく眠れなくなった」と感じる方は多くいます。軽度認知障害(MCI)や認知症の方では、「寝つきが悪くなる」だけでなく、「夜更かしをしがち」や「睡眠の時間帯がバラバラ」になる傾向があり、それが認知機能にもよくないことが分かっています。しかし、軽度認知障害(MCI)や認知症の方に対する、有効性や安全性が確立された睡眠治療薬はありません。

生活リズムを整え、寝つきや目覚めのよい「良質な睡眠」を取ることが、認知機能の維持にも繋がります。「よく眠れない」、「朝起きた時にすっきりしない」、「午前中からの昼寝や30分間以上の昼寝を毎日のようにしてしまう」「夕方になるとソワソワ・イライラしてしまう」といった悩みを抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。

治験は、ご協力いただく方の人権と安全を最優先に、厳格なルールのもとで、高い倫理性と科学性をもって厳正に実施されるものです。治療の選択肢のひとつとして考えてみてください。あなたのご協力が社会貢献や社会参加の大きな一歩に繋がります。

治験参加にご興味のある方、詳しい内容をお知りになりたい方は、以下のフォーマットにご入力ください。担当者から折返しご連絡いたします。ご家族からのご相談も歓迎です。

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*1. 健康づくりのための睡眠ガイド2023 https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
*2. YuanS, Ma W, YangR, Xu F, Han D, Huang T, PengM, Xu A, Lyu J. Sleep duration, genetic susceptibility, and Alzheimer’s

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