知らないうちに介護うつになっていませんか?
「介護うつ」という言葉を、メディアなどを通して聞く機会があるかと思います。今回は介護うつについてご説明します。
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「介護うつ」って何だろう?
在宅で、認知症の方や何らかの障害や病気により寝たきりの状態の方の介護を行う場合、家族が介護の中心的な存在(キーパーソン)となることが多いと思われます。そして、「家族なんだから介護しなければならない」「認知症になったから同居を始めたんだから、人に頼るなんて…」という責任感から、介護の様々なサービスを利用せずに家族だけで頑張ってしまうケースがあります。そうすると、24時間365日介護が続き、介護者の休まる時間がなく、身体的な負担が大きくなります。
また、認知症の方や寝たきりの状態の方と介護者だけの生活は、社会とのつながりが疎遠になりやすいです。その結果、社会からの孤立感や寂しさ、日々の介護への疲労から要介護者へあたってしまう恐れがあります。
このように、身体的にも精神的にも休まる時間がない、疲労が溜まる、追い詰められてしまう、悲観的な考え方になるといった悪循環が「介護うつ」につながる恐れがあります。介護うつは、介護を行っている最中の方だけでなく、介護が終わった方も起こると言われています。
介護うつにならないためには?
介護うつにならないためには、どうしたら良いのでしょうか。
大切なのは、「一人で抱えすぎない」ことです。ケアマネジャーに相談して、必要な介護サービスを受けましょう。「家族がいるからサービスは受けられない」のではなく、「家族が介護から開放されるためにサービスを利用」しましょう。
例えば、昼食時に訪問介護ヘルパーに来てもらい、その間介護者は映画を観に行く、友達と外食をする、趣味の時間に使う、など自分のために時間を使いましょう。
また、デイサービス・デイケアやショートステイの利用もあります。デイサービスやデイケアは、朝から夕方まで過ごす施設が多いです。ショートステイは、旅行や介護者が緊急な用事がある、入院しなければならないなどのようにイベントの際に利用するケースもありますし、定期的に利用するケースもあります。定期的に利用する場合、10日間自宅で過ごして、4泊5日ショートステイを利用するというパターンを月2回行うケースもあります。最初はショートステイの生活に戸惑う要介護者もいらっしゃるかもしれません。しかし、徐々に慣れていく場合もありますので、継続的な利用をすることも方法の一つです。
介護は家族だけで行うことはありません。介護保険を利用して、必要なサービスを受けることが息の長い介護を行う上で重要です。
また、同じように介護を行っている人たちと話をすることも効果的です。「認知症カフェ」は、認知症のご本人、その家族、地域で生活している人、介護の専門家など誰でも自由に集まる場所です。
厚生労働省¹⁾では、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)において、『認知症の人の介護者への支援』として認知症カフェの設置を推進し、介護者の負担軽減を図っています。
例えば、「こんな介護をしているのはうちだけなんじゃないか。」「他の人はどんな介護をしているの?参考にさせてほしい。」「もっと良い方法を教えてほしい。」「困っていることはないけど、介護している人たちと話がしたい。愚痴を言いたい。」という介護者や、「認知症カフェなら、飽きたら帰ってこられる。短時間でも他の人との交流があるから、散歩がてら認知症カフェに行きます。」という認知症の方と介護者も訪れています。
認知症カフェは様々な団体により開設されています。お住まいの地域にある認知症カフェを利用してみてはいかがでしょうか。お近くの認知症カフェを探す際は、自治体や地域包括支援センターなどに聞いてみましょう。
また、認知症ねっとでは、「認知症相談室」があります。医療・介護の専門職だけでなく、家族の介護を体験した人など様々な人が参加しています。「何がわからないかわからない」「こういうときにどういう対応をしたか?」など何でもご相談下さい。
認知症ねっと 認知症相談室まとめ
介護はいつ終わるのか、誰にも分かりません。様々なサービスを利用して、介護者自身の人生を第一に考えることが大切です。
出典:厚生労働省 認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)(2019年11月7日アクセス)
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