認知症のリハビリに作業療法
認知症のリハビリのひとつに「作業療法」があります。ここでは作業療法の効果と方法についてご説明します。
- この記事の目次
作業療法とは
日本作業療法士協会¹⁾によると、作業とは、「食べたり、入浴したり、人の日常生活に関わる全ての諸活動を『作業』と呼んでいます。」と述べています。例えば、着替えやトイレなど日常的な生活行為を指すセルフケアや、家事、仕事、余暇、地域活動など全てが作業です。
このような作業が、何らかの病気やけが、障害により支援が必要になる場合があります。作業療法は、支援が必要な人に対して、その人らしい生活が送れるようにリハビリテーションを行います。
作業療法は、様々な場面で行われています。病気やけがの直後である急性期からリハビリテーションを開始し、基本的な機能を改善できるようにすると共に、機能の低下を予防します。例えば、自分で食べられるようになる、家の中を移動できる、トイレが使えるなどの練習を行います。
急性期が落ち着き、病気やけがが落ち着いた慢性期に入ると、服や靴を着脱する、家事を行う、買い物に行くなどの生活に必要な作業を練習します。
さらに、住み慣れた地域で生活するために、その人らしい生活が送れるように支援します。
認知症の人に対する作業療法とは?
認知症の人の作業療法の場合、指示を受けて行動するよりも、日々の生活の中で行えていること・自立していることを活かして行動してもらう、または、目の前で行っている姿を見てもらいながら、自身でも同じように行動してもらうことのほうが効果的である²⁾と言われています。
また、今までの生活で得意だったこと、好きなことなどその人の背景に合った方法を取り入れることが大切です。例えば、毎日家事を行っていた人に対して、洗濯物を畳む、掃き掃除をする、テーブルを拭く、などです。そのことによって、積極的に行動したり、自尊心の向上や、その人らしい生活を送ることにつながります。
介護サービスとして、訪問リハビリテーションがあります。医師の指示にて、作業療法士が日常生活動作訓練(食事や更衣、入浴、トイレ動作など)を行います。利用を検討されている方は、ケアマネジャーに相談してみましょう。
出典:1)日本作業療法士協会.“作業療法士ってどんな仕事?”.日本作業療法士学会(2019年5月31日アクセス)
2)松下太.認知症の人へのリハビリテーションアプローチによる生活行為とQOLの改善~作業療法を中心に~.森之宮医療大学紀要.2017,第11号,25-32.
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